2006年12月

●ctrl+z   2006.12.31

アンドゥというやつ。1つ戻る、と言ったほうが通じが良いかもしれない。Macintoshではcommand+zということになるのだが、このアンドゥ、デザインの作業を行うときには頻繁に使用する。PhotoshopでもIllustratorでも、常時このアンドゥをスタンバイしながら作業をしていると言っても良いくらいだ。

しかしこのアンドゥに慣れてしまうと困ることもある。手描きのときだ。間違えれば、又は気に入らなければアンドゥすれば良いという考えが染み付いてしまっている結果、手描きのときでもついつい安易に線を引いたりした直後、消しゴムで消さなければいけないという現実に気付くというものだ。

●巨大写真   2006.12.30

最近のデジカメには「ブログモード」なるものが搭載されていて、自動的に640x480pix程度にリサイズしてくれる。元画像は撮影時のモード(もっと高画質)で別途保存しておいてくれるという親切なものだ。

しかし思い起こせばデジカメでは標準が320x240pixで高画質モードが640x480pixなんていう時代があった。実はブログに限らず普通のホームページでもこのサイズで十分だったのだ。逆に言えば、プロなら話は別だが、何で1600x1200pixなどというサイズが必要なのだ、素人が使うのに?という気もするのだが、そこはスペック競争が大好きな日本人。高スペックでないと売れないのだから仕方が無い。

そしてそのような高画質な写真を満載したブログのページは表示し終わるまでに膨大な時間を必要とし、多くの閲覧者が待ちきれずに去っていくというデメリットはあまり気にしないというのも事実のようだ。

●写真   2006.12.29

写真というのはただ撮ればいいというものではない。そこにはそれなりの意味や目的、また何を表現したいのかという意志がなければならない。例えばセミナーで聴講者が座っている写真。全員が頭を下げ、机の上の資料に目をやっている。誰一人として顔がきちんと写っていない。そんな写真を意味なく何枚も何枚も撮る。

物産展の会場の写真。ブースに集まる人たちを撮っているのだが、全員が背中を向けている。誰一人として顔が写っていない。そんな写真を無尽蔵に撮りまくる。仮に単に「記録」として撮るのであれば最低限の枚数にすべきだ。

とはいえデジカメになってからというもの、実質的な資源の損失がほとんどなくなったことがせめてもの救いだ。

●HTML   2006.12.28

HTMLを書くことができればウェブデザイナの仕事を請けることはできる。しかしそれはあくまでもHTML作成職人としての下請け仕事。本当のウェブデザイナであればHTML作成が仕事の中で占める割合は極めて小さい。企画、マーケティング、コンセプトの構築、サイト設計等の作業のほうが遥かに難易度が高い。その次はコピーライティングや基本デザインの制作、写真や動画撮影、イラスト制作といった作業だろう。そして最後の最後にHTMLを書く。プロジェクト全体から見ればオマケのようなものだ。

●忘年会   2006.12.27

忘年会の季節である。もうピークは過ぎたころでもあるのだが、この忘年会を楽しく盛り上げてリーズナブルなものにするのは幹事の腕次第でもある。たかが忘年会幹事ではあるのだが、この幹事がヘタレだと、予約して行ったのに待たされる、料理や飲み物がなかなか来ない、狭い席にぎゅうぎゅう詰めで座らされる、思いのほか割高な感じがする、ドタキャン者が続出、進行に工夫が無い、などの問題が多発する。忘年会も一種のイベント。参加者を満足させるべく本気で企画しなくてはいけない。

●簡単になったサイトづくり-2   2006.12.26

売れなかった場合は、社名を変えて同じ業種の違う会社にターゲットを変更。変更を重ねるうちにデザインの完成度も上がってきたりもする。学生も売る為に色々と工夫をする。毎日使っているのでかなり高度な技も覚えて、凄いサイトが安価で量産されるようになってくる。キャッチコピーや商品説明文も色々とやっているうちにひな形が自然とできてくる。ライティングやコンセプトも含めた完成度の高いサイトにもなってくるわけだ。

CMSを利用することで、そこそこの完成度サイトが短時間で簡単でできるようになった!なんて喜んでいるWEBデザイナもいるようようだが、あなたにとって簡単になったということは、他の人にとっても簡単になったということを、そしてそういう人が世界中にたっくさんいるということを忘れてはいけない。

●簡単になったサイトづくり-1   2006.12.25

中国人の学生がMovable Typeを使って1日で10ページほどのサイトを作る。これがなかなかの出来映え。フリー素材や動画、サウンド、FLASHなどの部品も大量に用意されていて、その中から適当に組み合わせて立派なサイトを作ってしまうのだ。これをブローカーが売る。

ターゲットは、ぱっとしないサイトを公開している日本人の事業主。既存サイトのコンテンツをそのままコピーして、売りに出すときのは、その会社のためにカスタマイズされた内容になっている。価格は3〜5万円。学生への報酬は1000〜2000円。知らない間に自分の会社のホームページができていて、日本の業者に依頼すれば20〜30万はかかるであろうリニューアル版が3〜5万円。買わずに断るには勇気のいる商品というわけだ。

●経費削減   2006.12.23

経費削減という名目で、社内の経費で1万円以上の支出は必ず稟議を通すようにする、なんていうことになって余分な仕事が増えて困っている、というのはよく聞く話だ。しかしそこで手間が増えた分、人件費も増加するので、本当に経費削減になるのか?という疑問もあるのだが、社長曰く「実質的な経費削減よりも社員の意識の問題だ。」となれば、なるほどそういんもんだ、とも思える。一方社員からは 「社長のベンツをカローラに買い替えたほうがよっぽど効果的な経費削減だ。」となれば、それも納得。しかし「代表者としてベンツに乗ることは対外的な意味もある。」ということだが「 そりゃ人として影が薄いからクルマに頼ってるんじゃないの?」何を言う!「ベンツに乗るために社長になったんだ!文句あるか。」

●入力フォーム-3   2006.12.20

今後はケータイの通信速度が改善され、現在のBB並みとなる。同時に画面も大きくなりXGAが当たり前になるだろう。そうなるとインターネット利用者の多くがPCからケータイに移行する。となると果たしてその時には入力フォームなるものは存在するだろうか?ケータイでフォームに入力するのはPCに比べて数倍手間がかかる。

おそらくは入力フォームを使用しない商品の注文方法、決済方法、入会方法などが既に多くの人たちによって検討、実験されているはずである。つまり今から必要以上に凝った入力フォームを作る必然性は自然と薄れてくるということにもなるだろう。

●入力フォーム-2   2006.12.17

この問題を解決することが、売上げを伸ばす重要なポイントでもある。現状、多くのネットショップの買い物カゴでは、入力項目過多状態。売るほうの都合だけで設置されている。こんなフォームであれば、通常のメーラを起動して、その本文に最低限必要な項目を普通に箇条書きにしたほうがよっぽど早いし手間も省ける。

しかしサーバ側で予め用意されたひな形を利用しようとすると、これらはある程度万能に出来ているがために、どうしても必要以上に入力項目が多くなる。理屈で考えれば、それは「必要以上」ではなく、より多くの決済方法に対応するために、顧客情報を集める上で、お買い得感を与えるために、それぞれ「必要」ということになってしまうだろう。ところが実際にはその過程で多くの顧客が脱落しているのだ。

●入力フォーム-1   2006.12.16

ウェブで買い物をする。商品を選び、住所、名前、ふりがな、メルアド等を入力し、決済方法を選び、お届け希望日やメルマガの受信可否を選択し、送信ボタンを押す。これはけっこうな手間である。さらにお客様登録パスワードを聞いてきたり、ポイントがなんちゃらかんちゃら、性別や年齢まで聞いてくるといい加減鬱陶しくなるものだ。ある程度の高価格商品やこだわりの商品であれば、こういった入力も気にならないかもしれない。しかし消耗品や、とにかく急いで必要なモノの場合には、これらの入力項目は面倒なだけだ。ある調査では購入しようと入力し始めたものの、途中でイヤになってなって、又は分からなくなって止めてしまう人の割合が2/3だそうだ。最後まで辿り着けて無事に購入できるのは1/3ということ。精子じゃないのだ、もっと多くの人が辿り着けるようにすべし。

●悪循環   2006.12.15

時間も予算もなく、ぶっつけ本番のような仕事もあるのだが、ウェブ制作の場合、その多くはサイトコンセプトや基本構成をきちんと決めてからスタートすべきであろう。方向性が定まらないままスタートすると、途中であっち行ったりこっち行ったり右往左往することになり、結果として何度もやり直しが発生して、修正や変更で膨大な時間と手間をかけてしまうハメにもなり、そこに自らの手間対コストを試算したりすると、余計に仕事のクウォリティが下がりクライアントからのOKが出にくくなる。これを悪循環と言う。 片付けの出来ない人間が、結局はモノを捜すために膨大な時間を消費しているのと同じだ。

●所詮CMS   2006.12.14

所詮CMS。2〜3年後にあるかどうか分からないし。要するにホームページビルダーのサーバ版、いやホームページビルダーのほうがよっぽど高機能だ。まあ、本気でやるほどのものではない、というか、HTMLを書ける人間があえて覚えるほどのものではない。

というのがウェブに精通した人間の意見のようだ。もちろんコミュニティー系のサイト、毎日更新するサイト、複数の人間が更新業務に関わるサイト、HTMLを知らない人でも簡単に更新できる、というような目的ではCMSは非常に優れたソフトでもある。

しかし自称WEBデザイナで、ウェブを制作することでお金をもらっているような人間が CMSで作ったサイトでクライアントから制作費をもらうというのはいかがなものか。

●社長の命令だったんですね   2006.12.13

ごく稀にではるのだが、果たして本当にやる気があるのだろうか?と思えるウェブの制作、更新依頼の電話が来ることがある。色々と質問に答えるのだが、全くもって反応が薄い。やりたいという意気込みを感じられず、どちらかと言うと、やりたくないという雰囲気。じゃ、なんで電話してくるのだ?とも思うわけだ。

しかし冷静に考えてみるとその理由は分かる。電話してくるのは事業主ではない。つまり社長に「電話して聞いてみろ」と命令されていやいや聞いてくるのだ。そして、もしその仕事(ウェブの制作依頼窓口業務)をやることになれば、自分が担当させられ、それも通常業務の片手間でやらされ、そこで残業してもその分の超過勤務手当は期待できない…、というような思惑が交錯しつつの電話であるのだ。

●防衛本能   2006.12.12

デザイナにも防衛本能がある。それは自分のデザインした成果物を否定したくない、または否定されたくないというものだ。もちろん色々な事情があってデザインしたものでもあるので、非の打ち所が無いというものはできるわけがない。

しかし根本的に「ダメ」とか「ダっさ〜い」とか「論外だ」とか言われてときには気分がいいものではない。ところが、これを言われたくないがために、あえて競合する他のデザインと冷静に比較されることを避けたり、コメントするであろう人間に見せないようにしたりというのは大きな間違い。そのデザイナのスキルはそこまでということになる。この防衛本能をいかに拭い去れるかがデザイナにとっての課題でもあるのだ。

この防衛本能が強く稼働している間は、いつまでたっても3流だ。

●網羅   2006.12.11

サイトを構築していると色々な問題が出てくるものである。あ、この部分の説明が足りなかったとか、こいつを紹介していなかったとか、こんなユーザーに対しての配慮が足りなかったとか、ここをきちんとしておかないと誤解を招くとか、と、考えればキリがないものである。

しかしこういった問題を全て漏れなく網羅しようとすると、どうしても構造が複雑になり、見る人に労力とストレスを強いることになるものだ。理論上は「これで完璧」と思うものほど、作るほうが考え過ぎたぶん、始めて見る人にとっては難解なものになるだろう。

完璧さの増加と引き換えにユザービリティーが低下していることを意識したほうが良い。

●プライバシー   2006.12.10

高校の情報の教科書では、生徒の写真をウェブを載せるときには、その生徒が誰であるのか判別できないように小さく載せるべしと書かれている。顔が分かる写真は「×」と言い切っている。

しかし高校の部活動をドキュメンタリーで放送しているTV番組もある。名前も顔も分かれば家族まで登場する。オンエア時には500万人とかが見るわけだ。一方ウェブのほうは、仮に学校のサイトでアクセスが1日500とすれば、TVと同じ人数が見るまでに30年かかるわけだ。 何でTVはOKで、ウェブはNGなのだろうか?

顔がわかったことでストーカーや変質者につきまとわれたりいやがらせをされたりという確率といっても、道を歩いていてクルマにはねられる可能性より低いだろう。 ということはウェブに顔を載せる以前に、道を歩かないようにするべきだ。

熟慮しないで安全なほうを選ぶ。教科書に書かれていないことは自分で判断できない。それが今の教育の実情なのだろう。そんな大人を量産しないように子供たちを教育すべきなのではあるのだが。

●せっかち   2006.12.9

ウェブショップで買い物をする人はとにかくせっかちである。キャラとしてせっかちというワケではなく、ウェブを彷徨い検索してクリックしてページを見るという一連の流れの中でそのスピード感が身についてしまい、買い物をするときだけ「のんびり」というワケにはいかないようだ。惰性というか勢いというか、とにかくその時だけスピードを落とすというのは中枢神経のディスクブレーキに大きな負担がかかるのだろう。

従ってサイトの作りもこの「せっかち」に対応していなければならない。読まずとも「同意する」ボタンが押せ、なるべく少ないクリック数で「購入」や「注文」ボタンが押せること。途中で無意味なアンケートやパスワードの要求をしないこと。年齢や性別を入力させるなんぞはもってのほかである。

●必要経費   2006.12.8

業務に必要なことだから、という理由で経費を使う。それがイベントであったり出張であったりするわけだが、そのイベントが果たして本当にかけた費用に相当する、またはそれを上回る広告宣伝効果、CRM的効果があったのか?というと、そこんところは計算していないようだ。要するに自分がイベント好きであり、みんなで集まってわいわいと何かするのが好きなだけなのだ。出張にしても然り。そこにかけた宿泊費、交通費に見合う利益があったのか?または出張に行かずとも電話やメールによる打合わせだけではいけなかったのか?というと、これも特には計算していない。単に自分が出歩くのが好きというだけだ。

というような、非常に利益が出づらい体質の、イベント好き、出張好きな事業主は少なくない。

●ライフライン   2006.12.7

今やインターネットは業務上のライフラインとも言える!というのはごく稀にメールサーバに障害が起こった時に実感するものだ。

そういえばインターネットが普及し始めて多くのユーザーがアナログダイヤルアップだったころには、メールは遅れて当たり前。2〜3日後に届いたとしてもしょーがない!なんて思っていたものだ。

しかし今ではメールは瞬時に届かないと業務上支障をきたすようになったしまった。従ってメールが遅れただけで、それ相応の損害が発生することもあるのだが、だからといってプロバイダーに文句を言おうにも、その程度では取り合ってはもらえないし、月々たかが1000円程度しか払ってないわけだ。

2〜3日遅れてしょうがないと思っていたころは、月々1万円とか払っていたのだから。

●デザインの評価   2006.12.6

デザインを評価するほうとしては、たとえ満足はしていても100点満点ということはあり得ない。特にWEBページの場合には、クライアントにしてみれば、今後の更新や変更が可能なだけに「OKです」と言い切ってしまうと、そこから先は一切修正してもらえないのではないか?という気持ちにもなり、かなり満足していてもOKとは言わないものだ。 逆に言えば、クライアントがどの程度満足しているのか探りを入れながら、何とか最終的にOKというかたちに誘導していかなければならない。

稀にCDで納品、添付ファイルで納品、という場合もあるが、多くはサーバにアップしたものを見て確認しながら進めていき、適当なタイミングで「公開」になるため、きちんとした納期もないに等しい。同時にOKか否か判定するタイミングも決まってはいない。 ということで「請求書の送付」=「OK」という意味合いになることが多い。

●メガネ   2006.12.5

「ちょっと文字が小さいかな。これじゃメガネかけないと読めないんだよね。」「あ、そうですね。ではもう一回り大きくしましょう」と打合わせを終えたクライアント、メガネをかけて新聞を読み始めた。

まあ、新聞はしょうがないかと思いつつ、文字を大きく変更した後でまた打合わせに行く。「おう、だいぶ見易くなったね。」「あ、そうですか。でも社長、メガネかめて画面見てるじゃないですか。」「あ、そうそう、これがないとキーボードの文字が読めないんだよ。」

●やる気あんのか   2006.12.4

ネットショップで買い物をする。ところが確認メールも来ないうちに、いきなり代引きで商品が送られてくる。送り状も案内状も同梱されていなければ、購入後もフォローは何も無い。「やる気あんのかぁ!?」という気分にもなるのだが、実はこれ、やる気は無いのだ。ただ、何もしないで放っておいても月に1件ぐらいは売れるので、閉鎖しないで公開しているというショップなのだ。分かってやってくれ。

●切り口を変えて   2006.12.3

ウェブサイトをデザインする前に、まずは同じ商品やサービスを扱っているサイト、同じ業種の競合するであろうサイトを検索して見るべし。これは鉄則。いくら素晴らしいサイトを作っても競合するサイトに劣っていたとすれば意味は無いのだ。予算的、技術的に勝てないとすれば切り口を変えて同じ土俵で戦わないようにするべし。

他社が商品価格で訴求しているならば、アフターサービスや納期で。他社がサンプル数で圧倒しているのであれば「人」を全面に出したフレンドリーな構成。情報量で勝負しているのであれば、デザインやセンスの良さで。というように異なったターゲットユーザーを狙うべきだろう。

とかくクライアントからの要求は他社と横並びであることが多いのだが、それではあまり意味が無いということもしっかりと説明しなければいけない。

●事務的   2006.12.2

ビジネスメールでは基本的に必要な事項のみを事務的に伝えるのが効率的であり、あえて事務的に書くことで誤解や勘違いを防ぐという効果もあるというもの。

しかしデザインというものの評価は、なかなか事務的には伝えられない。表記内容の修正や文章の添削であれば、修正点を箇条書きにして事務的に伝えれば良いわけだが、雰囲気がどうの、色がどうの、という場合には文章化するのは非常に難しい。

ということで、電話や対面での打合わせでクライアントの要望を聞くことにもあるのだが、実際に喋っている本人が何を要望しているのか自分でも分かっていない場合も多いものである。

過去記事

メニュー



























.