2007年12月

●机上の空論-2   2007.12.31

そりゃ机上の空論でしょ。と言われるような企画書はけっこうあるものだ。例えば
・検索サイトで常に上位にランクされることを目指す
・FLVファイルとストリーミングによる動画をふんだんに使用する
・ディスク容量は50MB以内とする
・更新をしなくても6ヶ月間一定のアクセス数を維持する
・GoogleのようなシンプルさとYahoo! のような豊富なコンテンツを展開できるトップページとする
というようなものだ。もちろんこんなものは現実には不可能。しかしこれはインターネットに疎い人であれば 実現できると思ったりもするのであった。

●机上の空論-1   2007.12.30

そりゃ机上の空論でしょ。と言われるような企画書はけっこうあるものだ。例えば
・全国チェーンのファーストフード店で展開する
・素材にはキャビアとアワビをふんだんに使用する
・1食500円で販売する
・冷凍で6ヶ月保存できるものとする
・寿司のような素材の新鮮さとフランス料理の濃厚なソースを売りにする
というようなものだ。もちろんこんなものは現実には不可能。しかしこれは誰でも分かる内容であるから誰でも これが机上の空論であると分かるわけだ。

●すぐに真似する連中   2007.12.29

さて2008年からYahoo! Japanのトップページのデザインが一新されることによって、このページを安直に真似するサイトが増えることは間違いないだろう。それなりに時間をかけて練りに練って完成したレイアウトなのだろうから、それを参考にすることは悪いことではない。しかし何も考えずにただ真似をするのはいただけない。

まあ、そういった表面的な真似だけをする連中はサイト本来の目的や背景もコンセプチュアルな部分も理解しないで、ただ単にビジュアル的に似せることによってトレンドに乗った気分(または、その気分をクライアントに押し売りする)なのだろうから長続きはしないだろう。というか自転車を作るときにベンツの真似をしたってしょうがないだろう。そもそもコンテンツの量が10桁ぐらい違うだろうに。

●コーナーR   2007.12.28

角が丸くなっている画像データを拡大し見ると右の図(ピンクの部分)のようになる。逆に四角い画像の角を丸くしたい場合にはこのように切り取ればいいということ。画像データの角をちょっと丸くしただけでも、画面全体が柔らかい雰囲気になると同時に「デザインされてる」という感じにもなるものだ。しかしこの形、どこかで見たことあるような?と思っていたらこれだった。丸いものを四角いドットで表現しようとすることが、レーダーに写りにくいフォルムとどう関係しているのか?いや、特に関係はないだろう。

●Yahoo! Japanのトップページ   2007.12.26

2008年からYahoo! Japanのトップページのデザインが一新される。ぱっと見iGoogleという感じもするが、まあ、パーソナルにカスタマイズされたパーソナルなポータルサイトというか、正確に言えばパーソナルな「ホームページ」というものは理論的に整理していけばこのようになるのだろうというものではないか。

今までのトップページはナローバンドとナローモニターを意識していただけに、そろそろ一新してもいい頃だったのではないかと思う。

●根幹を見る   2007.12.25

森が見えていないのなら、せめて「木」の根幹を見て欲しいものでもある。会議中、プロジェクトの根幹の話のときにはし〜んといているのだが、枝葉の話となると急に参加者がべらべらと喋り始める。なんていうのもよく見かける光景だ。葉っぱの10枚や20枚無くても大勢に影響は無いだろう。枝の数本が折れても木は成長する。しかし幹が腐ると木は死ぬのだ。根が張れないと木は成長できないのだ。とはいえ、とにかく葉っぱ好きの人が多いものである。

●森を見る   2007.12.24

木を見て森も見ない人間は意外にも多いものだ。特に複数の組織がかかわるプロジェクトでは森を見ていないことで、とんでもないヘマをやらかしたり、周りに多大な迷惑をかけることもある。しかも森が見えていないものだから、その原因が自分にあることに気付かず、他人のせいにしたり、認識に行き違いがあるとか、特殊な事情だったので仕方が無いとか、あたかも不可抗力であるかのようなコトを言い、反省もレビューも改心もしない。目の前の「木」も見るだけで精一杯で、大きなビジョンは見えないのだろう。

●準備万端   2007.12.23

起業するとき、または新しいプロジェクトを開始するとき、できればその準備を完璧に整えてからスタートしたい思うのが心情であろう。ところが実際には準備万端整えたところで、その整えたシステムやツールがきちんと機能するという保証はどこにもない。何事もやってみなければ分からないことのほうが多いのだ。

一概には言えないが、まあ、70%ぐらいの準備ができたところでスタートするのがリーズナブルなのかもしれない。

●通信教育   2007.12.22

e-ラーニングの大御所とも思われていたunselfが夜逃げ&閉鎖したのという記事は先月にも書いたが、はやり動画レッスンというもの自体、運営する側は相当なコストがかかるらしい。とはいえ今の時代、学びたいこと、身につけたいことは、できれば遠隔で受講したいものでもある。そこで改めて 通信教育というものも注目されているらしい。いや、実際その内容の充実ぶりはなかなかのものでもある。へんなところへ通うよりは、はるかにコストパフォーマンスが高いだろう。

●天職   2007.12.21

実際に就労しているうちの、いったい何人に一人がその人にとっての天職に就いているだろうか? ある程度は努力と向上心でその職に適応していくことは可能かもしれない。しかしやはりそこには才能や 資質などの要素も影響するはずである。音痴では歌手になれないし、動体視力が鈍ければ野球選手にはなれない。 もし日本の就労者全てが最も適した職に転職したならば、日本の生産性は大幅に向上するだろう。

●転職   2007.12.20

終身雇用制度という言葉が封建的で懐古的な響きを感じさせるようになってきた。 もちろんむやみに転職を繰り返し、何も身に付かないまま放浪していたのでは意味はないが、 職場を変えることで、その職場の仲間や上司、部下に迷惑がかかるんじゃないか?なんて心配は 不要であろう。誰もが同じ条件であり、誰がいつ会社を辞めるかは分からないのだ。 経営状況の悪化で待遇も悪くなりはじめた時点で、被害を被らないうちに転職するのが得策であろう。

●インキュベーション   2007.12.19

インキュベーションは孵化という意味。新たな世界への巣立ちみたいな清々しい印象の言葉である。しかし実際には孵化した途端に天敵に襲われたり、羽が渇く前に地面に落ちたり、うっかり川に落ちて流されたり、と言った具合に確実に成功する可能性は高くはない。孵化できればまだいいほうで、サナギの中でもたもたしているうちに腐ってしまうとか、外に出る勇気がなく、結局一生サナギの中に居るとか、そういったケースも少なくない。

ちなみに鳥でも爬虫類でも魚でも昆虫でも、孵化の瞬間が最も天敵に狙われやすく危険な瞬間でもある。そうならない為には。とにかくもたもたしないで、さっと済ますことだろう。

●プロのプライド   2007.12.17

ボランティア系の事業で、例えばプロのイラストレータが「ちょっとチラシのイラストを描いてくれないか?」、プロのピアニストが「ちょっとイベントで演奏してくれないか?」、プロのライターが「広報に載せる文章をちょっと書いてくれないか?」ということを頼まれることがある。

まあ、プロだからタダでは動きたくないところであるが、時にはタダでやってあげることも必要。それはそれでお金にならなくても経験やスキルアップにも繋がるし、営業活動の一貫と考えれば損はしないだろう。

しかしやたらとプロのプライドにこだわり、頑にこういった依頼を拒否するプロもいる。よほどの巨匠や有名人や多忙なプロは別にして、有名でもないのにひたすらプライドにこだわるプロは大したプロではない。プロである以上は寛大さと犠牲的精神も大切だろう。

●プロのスキル   2007.12.16

ボランティア系の事業で、例えばプロのイラストレータに「ちょっとチラシのイラストを描いてくれないか?」、プロのピアニストに「ちょっとイベントで演奏してくれないか?」、プロのライターに「広報に載せる文章をちょっと書いてくれないか?」ということを極めて気軽に当たり前のように頼む人がいる。

彼等はその職で食っているのだ。タダでそのようなものを請けていたのでは、一生タダ働きになってしまう。「私もボランティアで無償で色々と動いているんだから…」などと言ったりもする。しかしあんたが動いているのは全て素人仕事の範囲だろうが。プロがプロとしてお金をとれるまでのスキルアップのためにどれだけ苦労して、時間を使って、修羅場をくぐってきたのかは分かってないようだ。

●馬子の衣装   2007.12.15

完成したホームページを見ても全く反応が無いクライアント。良いのか悪いのか?気に入ったのか不満なのか?「意見や質問、修正したい点などありましたら遠慮なく言ってくださいね。」と言うのだがまったくもって反応が無いのだ。

例えば30年間山奥の村から一歩も出ずに暮らしていた人間が、町にスーツを買いに行ったとする。紳士服店で試着して鏡を見る。ところがそのスーツが自分に似合っているのか?かっこいいのか悪いのか?価格相応の買い物なのかどうか? は、恐らく全く分からないであろう。そういった状況に近いようなのだ。

●軽薄短小   2007.12.14

その昔、家は広くて大きい方が偉い。車は排気量が大きく豪華なほうが偉い。身につけているものも、食べるものも、高価で贅沢なほうが偉いと思われてきた。これが1980以降、軽薄短小という言葉が流行り、その後「ライフスタイル」などという言葉も生まれ、大きさや豪華さよりも、使う人に合った、機能的でコンパクトな商品が好まれるようになってきた。

というわけでウェブサイトも、運営する企業や人物の、またそのサイトを訪れるであろう人の、目的に合ったサイズにするべきであろう。必要以上に豪華絢爛、重厚長大にすると、かえって嫌われるというもの。

●XOOPSとMT   2007.12.13

全く使ったことがないので知らなかったのが、 XOOPSとMTはもう終わってるらしい。これは今年3月の記事だが、昨年はじめごろはMTが一番人気だったように思っていたのだが変遷は早いものだ。とはいえJoomlaもWordPressも、あと何年この人気を保ち続けられるかは分からない 。CMSの多くはサーバ側の仕組みでありクライアントがそれを使用している以上は「や〜めた!」と言っていきなり止めるわけにもいかないわけだし、使用には充分な未来予測と覚悟が必要だろう。

●ページ数は少なく!   2007.12.12

ウェブサイト内のページ数のことである。もちろん殺風景とか閑散といった印象は与えてはいけないわけだが、やたらとボタンやページが多いのは作った側の自己満足であることが多い。

AmazonとかYahoo! とかAppleのように膨大な量のコンテンツとアクセスと知名度があれば、そのページ数も膨大にならざるを得ないわけだが、一般的な企業や団体であれば、その内容を明確に表現し、閲覧者が滞在する時間を少しでも長くするためには、いかにシンプルでコンパクトに、そして少ない数のページにするべきかが重要であろう。

●メールのデメリット   2007.12.11

具体的には「読まなかったことにできる」「書きながら相手の反応を見ることはできない」「書く側の一方的な事情で完結しやすい」などであろう。つまり「ヲタク系」「ヒッキー系」「暗い性格系」にフィットしやすい。だから問題になるのだ。

少なくともビジネスのコミュニケーションでは、電話とメールを状況によって半々ぐらいで使い分けるのが良いのではないだろうか。メールだけで最初から最後まで円滑なコミュニケーションを維持するのは意外にも難しいものだ。

●メールだけで済ます   2007.12.9

電話は苦手…とか、込み入った内容でない限りはメールにしてくれ、とか、そういうことを平気で言う(書く)人もまだまだ多い。確かにメールのメリットは、双方が都合の良い時間に送受信できる、文章として履歴が双方に残る、一旦文章という整理されたかたちでアウトプットされる、などではあるが、これらは同時にデメリットでもある。

何かのイベントの動員を、メールだけで行った場合と、電話だけで行った場合とで、どちらが人を集めることができるか?ということを比べてみれば分かる。

●迷わせるな!手間をとらせるな!不安にさせるな!   2007.12.8

この3つを意識した上でメールを書くようにすれば、どれだけ効率的に物事が進行するだろうか。逆に、相手を迷わせるような余計な情報や報告、相手が調べたり計算しなければレスできないような手間をとらせる提案、私情や余計な不安要素や噂を盛り込んだ文面で相手を不安にさせるメール、なんてものがいかに多いか?ということにもなる。 言い古された言葉ではるが「相手の立場で考える!」ということが、分かってない人間がまだまだ多いようだ。

●自信と決断   2007.12.7

何度も何度もミーティングが行われるのだが結論が出ない。これは誰も自信を持って決断ができないためだ。参加者全員が、意見も提案も結果として自分に責任が来ないように警戒しながら小出しにしている限りは結論は出ないだろう。仮にそんな状況の中で出てくる結論はロクなもんではない。誰にも平均的に責任が押し付けられないように調整することに重点が置かれ、その事項のコンセプトやターゲットを蔑ろにしたまんまの結論は、客観的に見れば「何じゃこりゃ?」なんてことがよくあるものだ。

●同意する   2007.12.6

多くの人が何度も目にしながら一度も全文を読んだことがないのが、アプリケーションの使用許諾やサイトの会員登録時の利用規約であろう。一瞬でスクロールして最下部の「合意する」のボタンをクリックする、またはチェックボックスをチェックするわけだ。

じゃあ、何で誰も読まないであろうことが分かっているのにそんなものを掲載するのかといえば、もちろん免責とか訴訟時の予防線とか、そんなものである。実際、制作側が突っ込まれないように、訴えられないように、などと考えながら書いていくと、あのようなものになるのだ。仕方がないのだ。作ってみると分かる。

●落ち度   2007.12.5

何かのトラブルがあった時に「私には落ち度がない!」と言い張る人がいる。そりゃあそうかもしれないが、それを言ったらそのプロジェクトに参加している人間全員に言えることにもなる。これだけ情報が複雑化、多様化してくると誰にも落ち度がなくてもトラブることはあるのだ。

逆に言えば、参加している誰もが、もう少し慎重になる、もっと注意深くなる、もっと視野を広くすることで、そのトラブルを未然に防ぐことができたというもの。

まあ、落ち度なんていう概念も持っていること自体が時代錯誤なのであろう。

●大本営発表   2007.12.4

アクセシビリティーはMicrosoftの陰謀。SEOはGoogleの長期広報戦略。ユニバーサルデザインはそもそもデザインの基本。ロングテールはAmazonの戦術。こういった流行りをすぐに信じて取り入れようとする人間がいかに多いか。大企業や中央省庁の手法やコンセプトを教科書のように受入れてしまう。それが正しいか否か自分で検証することなく鵜呑みにしてしまう。大企業も中央省庁も過去に数々の間違いを犯しているということを忘れて。きっとそういう人たちは戦争になったときに大本営発表を真面目に信じるのだろう。

●ご意見番的な存在   2007.12.3

ボランティアや非営利事業の理事や執行部に対して何かと文句をつけるやつがいる。みんなが本職で忙しい中で時間を作って運営しているものなのだから行き届かない部分も当然ある。それをまるで労働組合の代表者のようなクレームを平気で言う。

しかも、じゃあんたが組織の代表やるのか?と尋ねると、絶対に首を縦には振らない。自分は特別なご意見番的な存在が適任とでも思っているようだ。特に若いうちからそういう考え方の人間が老人になった場合には周囲にかける迷惑度は計り知れないものになるだろう。

●二匹目のドジョウ   2007.12.1

難しい顔をしてビジネスプランを説明する人。確かにリスキーではあるが夢があってやり甲斐のありそうなプロジェクトであった。しかし後からよくよく調べてみると、実際の成功例を95%パクったものだった、なんてことがよくある。他人の考えたものを、あたかも自分のオリジナルのように語るのもけしからんが、それ以前に、そのような二匹目のドジョウが成功する例は極めて少ないということだ。

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