▼天声人誤

●スポーツ

スポーツの中には見ていて何がおもしろいのかわからないものも多い。例えばホッケー。アイスホッケーではなく地面でやるフィールドホッケーってやつだ。サクラジャパンの登場でかなりメジャーにはなってきた。しかし人工芝のない土のグラウンドで風の強い日にやっている場合には、砂ぼこりの中で選手がばたばた走り回るだけで、球も見えないしスピード感も無いし、何が起こっているのか分からない。無理矢理やらされた中学校の体育祭の練習を思い出すだけだ。

水球も苦しそうなだけの競技に思える。何もあんなに辛い思いをして水の中でハンドボールをやらなくてもいいのではないか。何かの罰ゲームのようにしか見えない。

射撃の種類も色々あるみたいだ。〜ライフルとか、〜ピストルとか。しかし遠目では誰が優勢なのか、実際、マトに命中しているのかどうかわからない。だからといってマトのすぐ近くで見るのは危ない。きっと競技が終わって喜んでいるやつが勝ったのだろう。

ボブスレーというのがある。ジャマイカが強い種目だ。あれは人間が乗る必要性はあるのだろうか。あの昔の未来の世界に出てくるロケットみたいなやつに粘土を詰めて滑らせても同じなのではないか。

バイアスロンというのがある。雪山でのハンティングを無理矢理スポーツにしたやつだ。本来ハンティングであるならば、決められた時間内に一番でかい獲物を捕ってきた人が金メダルのはずだ。しかし実際の獲物を獲ると自然保護団体とかが反対するのだろう。しかしそうであるとするならばスポーツフィッシングは良いのか。あれは釣ってきたカジキマグロの重さで勝負が決まるではないか。リリースはしないぞ。

レスリング、とくに軽量級は動きが速すぎていつどこでどのようにどんな技で勝負がついたのかわからない。クワガタのケンカみたいだ。これに比べプロレスはわかりやすい。プロとアマでこれだけコンテンツの異なるスポーツは珍しい。しかもプロレスは常に進歩している。20年前は必殺だった技に対して現在の選手はこともなげに2カウントで跳ね返している。技の切れが鈍ったとは思えないのできっと肉体が進歩したのだろう。

技の種類も格段に増えているし同じ様な技であっても仕掛ける選手によって技の名前も異なるのは、きっとシロウト目にはわからない効力の違いがあるのだろう。風邪薬のようなものだ。

スピードもずいぶん速くなった。昔のビデオを見るとものすごくのろい。坂口征二vsストロング小林などの試合は今見ると驚異的に退屈である。スピードに関しては驚異的な肉体の進歩である。レフリーのカウントのとりかたも正確になった。フォールされた選手の肩が浮いた時点で、放送席では即座に「カウント2.85」とか「カウント2.99」とかいう実況ができるようになった。100分の1秒単位の情報が常にアウトプットされているのだろう。選手だけではなく周辺の放送環境も格段の進歩を遂げているのだ。

総合格闘技が登場する以前は、日本人の多くが、世界で一番強いのはアントニオ猪木だとも思っていた。しかし最近ではプロレスは興業であると割り切って見ている人も増えてきた。しかし大相撲を興業として割り切って見られる人はまだまだ少ないようだ。Wikipediaでは、大相撲は「相撲興行」と書いてあるし、相撲興行のなかで最も有名な競技興行が大相撲であるとも書いてある。興行だから当然「演出」は有りなのだ。

カーリングというスポーツがある。世界中のプロボーラーがこのスポーツを始めたら、現役のカーリングの選手はとっても困るだろう。同じように世界中のサッカーとバレーボールの選手がセパタクローを始めれば、現役のセパタクローの選手もとっても困るだろう。

スポーツ雪合戦というスポーツがある。スポーツと遊びの区別がわかりにくくなってくる。それを言うならスポーツ麻雀というのもある。麻雀ってスポーツ?と思うのだが、まぁ、囲碁や将棋も新聞のスポーツ欄に載っているし。しかしスポーツ雪合戦があるなら雪を使わず石を投げ合う「スポーツ合戦」があっても良いのではないだろうか。

スポーツサンダルというのがある。ゴムぞうりのちゃんとしたやつみたいだ。

スポーツカーというのがある。ただしスポーツカーで競走することはカースポーツとは言わずにモータースポーツと言うようだ。

スポーツ新聞というのがある。スポーツの他に芸能ネタやエッチな話しがたくさん書いてある。そういうのもスポーツの仲間ということなのか。

シンクロナイズドスイミングに、つい最近まで「ソロ」という一人で演技する種目があった。何をシンクロさせるのだろうか?右足と左足かな。同じ胴体にくっついているのだからシンクロさせないほうが難しいのではないかな。

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