【飛鳥時代の推しの顔】
写真が登場する以前は「絵」でしかその時代の顔を見ることができない。しかし西洋絵画が普及していない時代の「絵の顔」は、象徴と権威、物語の伝達、宗教、装飾などが目的であり、そこにリアリティーというものは重視されていなかった。従って当時の「絵の顔」から、実際の顔を想像するのは難しい。

鳥毛立女屏風
飛鳥時代の絵画として、真っ先に鳥毛立女屏風(とりげたておんなびょうぶ)が思い浮かぶのが一般的であろう。しかしこの作品の作者は不明であり、芸術家というより職人が描いたものだと思われる。当時の絵画が象徴や装飾が目的であったであろう(今でも目的は不明)ことから、この作品からリアルな顔を想像するのは難しい。しかし「ふくよかな頬」「太い眉」などがこれだけ強調して描かれているということは、これらの特徴が、当時の「推し」であったのではないかとも想像できる。

飛鳥寺大仏
飛鳥寺大仏は、釈迦如来像として知られていて、仏教の開祖である釈迦を表す仏像であり、仏教の中心的な存在として信仰の対象とされていた。また当時は、仏教の普及とともに寺院が次第に庶民にも開かれていったと考えられ、飛鳥寺大仏もその一環として、庶民が拝観する機会があった可能性があると考えられている。従って普及し始めた仏教とともに崇拝されていたであろう飛鳥寺大仏(釈迦如来像)の顔に通じる、「アーモンドアイ」「アーチ眉」「広い目と眉の距離」「エッジの効いた鼻筋」なども当時の「推し」であったのではないか。

王族・貴族
飛鳥時代の庶民の生活は、飢饉や食料不足、重い税負担と労働義務などで非常に厳しいものだった。また明確な社会階層が存在していて、王族や貴族は庶民とは厳格に区別されていた。従って社会的な階層の隔たりと物理的な距離のため、庶民が王族や貴族の顔を直接見る機会はほとんど無かったとされている。仮に「推し」の顔が庶民が求めている、または想像する王族や貴族であった場合、そこには威厳や仏教的な敬虔さと同時に、庶民を見下すような冷徹さや庶民を蔑む(さげすむ)、嘲る(あざける)ような雰囲気が含まれていたのではないか。

縄文顔か弥生顔か
飛鳥時代の王族や貴族は、もともと渡来系の人々を含むことが多く、朝鮮半島や中国からの文化的・遺伝的な影響を受けていた。このため、飛鳥時代の王族の顔立ちは「弥生顔」に近い特徴を持っていた可能性が高いようである。また、考古学的には、飛鳥時代の遺骨や埴輪、彫刻などの出土品から顔立ちを推測することができる。例えば、飛鳥時代の埴輪や仏像などは、細長い顔立ちや彫りの浅い顔が多く見られるため、「弥生顔」に近い特徴が強調されていると考えられている。しかし縄文時代からの遺伝的影響も無視できず、飛鳥時代は多様な顔立ちが共存する時代であり、具体的にどちらか一方に限定することは難しいと言えるようだ。


【2124年の推しの顔】
2050年には世界の人口は100億となり、2100年ぐらいまでは増加し続け、110億をピークに減少傾向に転じる、というのは国連の予測。そして人類の繁栄は基本的に人口増加に依存じていて、人口が減少すると世界は衰退に向かうというのが過去の歴史からも証明されている。その衰退に向かう直前の全盛のピークの時期の、先進国日本の一般的美人の推しの顔を想定してみた。

器量の良い顔の割り合いが増える
現在すでに、ネットの普及で多くの国民がマッチングアプリ等でパートナーを探すことができるようになった。これは選択の自由度が広がるということで、器量の良い顔だけが選択されるようになるということである。ある意味「器量の悪い顔の淘汰」にも繋がり、総合的には器量の良い顔の割り合いが増えることになる。この傾向は令和の現在と昭和を比べても、すでに現実となっているのかもしれない。 昭和には「めっちゃ田舎くさい顔」「えらいゴツい顔」「どう見ても不細工な顔」の子供が学年に何人かはいたが、こういった子供は令和になってからはあまり見かけなくなった。この傾向は2100年にはさらに顕著になっていることだろう。 また結婚前のブライダルチェックなだが行われるようになり「器量の悪い顔の淘汰」はより進んでいくものと思われる。

魅力的な顔の割り合いが増える
昭和の時代は、不細工や残念な顔の人は、その不細工な部分、残念な部分を隠す、または目立たないようにした。その一方で、標準顔(美しい顔)に、メイク、ヘア、整形などで、近づけようとした。しかしSNSが普及したことで、多くの若者が自分の顔を客観的に評価できるようになり、無理に美しくなるのではなく、欠点を個性、標準から外れた箇所をエキセントリック、といったように身の丈に合った「魅力」が演出できるいようになってきた。この傾向も2100年にはさらに顕著になっていることだろう。

美しさよりもベビースキーマ
思考や趣味のアンチエイジングによって、大人の魅力である「美しさ」よりも、全世代が共通で感じることのできる「かわいさ」(ベビースキーマ)が好まれるようになる。現在でもアニメの主人公が、カッコイイ、シブい、美しい、といったものから「カワイイ」が受け入れられる傾向にある。またストーリーの中で主人公が突然二等身キャラに変貌するシーンも多く見られる。またカラーコンタクトで目を大きく見せる(アニメ顔に近づける)という方法も一般的となり、青い目をした日本人が普通になる。

口腔が矮小化
食物が柔らかいもの中心となり、噛み砕く力が必要とされなくなり口腔が矮小化する。顎の部分の変化は、生活環境の変化に応じて、比較的早い速度で変化する。口腔の矮小化は、顎が細くなるだけでなく、縦方向にも短くなると考えるのが普通であろう。

参考になる芸能人
中谷しのぶ/藤原竜也


【3024年の推しの顔】
現在、人類は滅亡の方向に向かっていると考えている有識者も多いようである。その時期については2100年、2500年、3000年と色々とあるようだが、その原因も含めて(未来のことなので当たり前だが)どうなるかは分からない。仮に「UNIVERSE25」の実験通りであるとすれば、ジェンダーフリーと引き篭もりが増加している現在の状況は、滅亡の方向であるとも言えるのではないか?ただし滅亡してしまうと3024年は有り得ないので、人類は滅亡せずに生き延びていることを前提に考えてみた。 想定する未来としては「カルダシェフ・スケール」を参考にしてみた。「カルダシェフ・スケール」では3024年には恐らく「タイプ1文明:自分の惑星で利用可能なエネルギーを使用できる」には達していると想定する。ちなみに現在(2024年)は「タイプ0.75文明」なのだそうだ。また「タイプ2文明:自分の恒星や惑星系で利用可能なエネルギーを使用できる」までには、あと数十万年かかるかもしれないと言われている。

1964年に旧ソ連の天文学者ニコライ・カルダシェフが考案した、宇宙文明の発展度を示す三段階のスケール

コミュニケーション手段としての顔の役割は薄れる
現在でも若者のコミュニケーション手段がSNSとスマホが中心となっているように、仮想空間を含めた電子的通信手段がメインとなり、顔の表情の変化によって意思や感情を伝えるという必要性は薄れて、ルッキズムという概念も希薄になる。

ゴーグルは必須
現在人類は日常的にメガネをかけている。そして1,000年後には、グーグルグラスやアップルグラス、メタバース用のゴーグル、ARやVR、赤外線暗視カメラ、通信によるコミュニケーション手段、などの機能が全て統合された「メガネ」を全ての人間が装着しているようになる。ナノテクノロジーによる超軽量化、バイオテクノロジーによる皮膚との一体化、などが可能になる。また、ゴーグルをかけることで収光率の向上し、実際よりも周囲が明るく見えるようになる。この収光率の向上によって、屋外での照明やライトが不要になり、地球全体での省エネにも繋がることになる。

口は退化して矮小化
「自分の惑星で利用可能なエネルギーを使用できる」ということは、食料についても、かなり効率的に体内に摂取できるようになっているはずである(それが点滴なのか、飲み薬なのか、分子レベルでの高出力エネルギーなのかは分からない)。そうなると、生き物として最も野蛮で原始的な部位である「口」は不要となる。コミュニケーションについても上記のゴーグルのよって行われるため、口から音を発してのコミュニケーションは不要となる。しかし退化して矮小化はしていくものの、酸素を供給する孔としての役割は残っているので、完全に消滅はしていない。

鼻も退化して矮小化
鼻は本来、食物を口にする前に、安全かどうかを確認するためと、酸素を供給するための孔である。この時代には、大気も完全に人体に安全なものになっているので、大気のフィルターとしての役割、細菌やウイルスなどを体外に放出する役割もなくなってきている。従って口と同様に、矮小化はしているものの、酸素を供給する孔としての役割は残っているので、完全に消滅はしていない。

体毛は不要
人類は、400万年前にサバンナに降りて狩猟をするようになってから毛皮を放棄し、現在では髪を含めた一部に体毛が残っているが、生活環境の急速な改善により、これらの体毛も実質上必要なくなった。同時にルッキズムの概念も希薄になったこともあり、現在の男性の髭同様に、体毛を剃ることが一般的となる。

耳の形状は画一化
確実に前方(首の向いている方向)を集音できるような形状に進化する。現在耳介の個人差が大きいが、耳介の形状によって機能に与える影響は少ない。つまり現在の耳介の形状に個々の必然性は低く、多様性や変異による環境への順応性も考えづらい。従って、特定の形質が繰り返し遺伝されることで、その形質が画一化の方向に向かうと考えられる。そしてその形状は、より集音に適した形状に進化していくのではないか。


【160万年前の推しの顔】
160万年前頃の原人の中で「推しの顔」に該当する顔の持ち主はいないか?ということで捜してみたが、多くは類人猿に近く、人間の目から見て、決して美しいと言えるものではない。敢えて言うのであれば、新生代第四紀更新世の時代に生息していたホモ・エルガステル(ホモ・エレクトス)であるトゥルカナ・ボーイ(Turkana Boy)が「推しの顔」になりそうであった。トゥルカナ・ボーイは男性であるため、これを女性にアレンジして、160万年前の推しの顔を作ってみた。

女性にアレンジするにあたって
トゥルカナ・ボーイの化石からは、ホモ・エレクトスの体格や成長パターンについて多くの情報が得られている。化石はおよそ8歳から11歳の少年であり、死亡時の身長は約160センチメートルと推定されている。成長が続けば、成人時には約185センチメートルに達したと考えられてもいる。さらにホモ・エレクトスにおける男女の体格差(性的二型)については、現代の人類(ホモ・サピエンス)と同様に、男性が一般的に女性よりも大きかったと考えられている。つまりトゥルカナ・ボーイの化石はそのまま成人女性のサイズに匹敵するのではないか。また男女差については、一般的に言えることは以下の通り。
  • 男性は女性よりも顔が大きく、頑丈な骨格を持っていたとされています。
  • 男性の顔はより長く、眉骨(眼窩上隆起)が突出している傾向が強かったです。
  • 男性は一般的により強力な顎を持っており、これにより顔全体がより力強く見えたと考えられます。
  • 歯も男性の方が大きかった可能性があります。
  • 男性の前頭骨はより平坦で、額が後退している傾向がありました。
これらを参考にしながら、トゥルカナ・ガールを作ってみた。