| コンペティション「未来の顔」 | TEXT | IMG | BOTH |
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これまで『強調』することを目的としていたメイクは、その反動として『なじませる』メイクが流行する。 カラコンは淡い虹彩色で瞳の輪郭の不明瞭にすることを目的とし、肌と唇の境界をぼかすリップライナー、肌の色と同化するヘアカラーについで、肌色ニュアンスカラーの眉毛とまつげが流行。 フェイスラインを強調することを目的としていたシェーディングパウダーの代わりに、フェイスラインの影をなくす拡散反射パウダーが必須アイテムに。 顔を立体的に見せるというより、ただただなだらかに均一さを求め、 もはや小顔という概念もなくなり、顔と体の境界も不明瞭に・・・。 他人の顔から『機嫌を伺う』ことが不可能になった人々は、 顔どころか自分の姿が周りの人や風景から際立つことさえダサいと考え、 どんな色彩や柄を駆使すればカモフラージュできるかを探求、 自分がどこにいるのかわからないスナップショットをSNSにアップロードするようになる。 自分と環境、自分と他人の境界さえ不明瞭になっていく世界で、さて、『自分』という感覚もまた他者や環境と一体化していくのか、はたまた、逆に『自分』という存在だけは際立って感じられるのであろうか・・・。 解説 ジョンソン&ジョンソンの『アキュビューデファイン』(瞳の虹彩の縁を大きく強調するタイプのカラーコンタクト)は2025年で日本発売20周年だそうです。 カラコンだけではなく、これまでのアイメイクもリップも、主な効果は境界線を際立たせることで、 メイクそのものが顔の各パーツを強調することを目的としてきたといっても過言ではないですね。 その一方で、メイキャップのアドバイザーとして10年以上している私としては、もうこの常識に嫌気が差しております。 だからなのかはわかりませんが、近頃、髪をブリーチにした私は、淡い色のアイライナーやリップライナーを探し、メイクにおいて"なじませる"を目指していることに、ふと気付きました。 人間は美を追求するあまり行き過ぎてしまうというのは歴史が証明しています(コルセットや纏足など)が、 この"なじませたい"という感覚が行き過ぎたらどうなるのかと、 『承認欲求は強いが目立ちたくない』と言われている最近の若者の傾向を交えて、思いを馳せてみました。 |